生理学について [歯科の周辺]
生理学について
歯学部でも生理学という基礎系の科目を履修します。
内容は,高校の生物を少し詳しくした程度です。高校の生物学を詳しくした科目としては,生理学の他に,解剖学,生化学,そして薬理学の一部があります。
解剖学というと,すぐに人体解剖を考えますが,そのような肉眼解剖学だけでなく,顕微鏡レベルの解剖学もあります。これを組織学といいます。通常,解剖学講座には2講座あって,いわゆる肉眼解剖学を担当する講座と,顕微鏡レベルの解剖学である組織学を担当する講座があります。
歯学部では歯の形態学と解剖学がありますが,それらもこの2つの解剖学講座の授業科目となります。
さて,生理学ですが,これは医学部にも生理学講座があるように,歴史的には形態学に対応した研究分野となります。
生体の働きや機能を研究する分野がすべて含まれるのでしょうが,機能に関する研究が主になっているようです。歯学部を別にすれば,一般に生理学というときは,神経系を中心とした,動物の体内調節機構を研究する分野を示すことが多いようです。
生理学の研究対象となる神経系は,外界からの刺激に対して整合性を持った応答を生じさせます。また,内分泌系と共同して,組織や器官の間の連絡を行います。
個体を統一的に維持する機能は,生理学と内分泌学だけでなく,免疫学の研究対象でもあります。
歯学部では,内分泌学は生理学で,免疫学は細菌学の中で講義を受けました。
頭蓋基底を構成する骨 [矯正歯科治療]
頭蓋基底を構成する骨
脳と顔面の境界が頭蓋底です。
頭蓋底には,頭蓋窩が3つあります。また,頭蓋底の正中部分を,頭蓋基底と呼ぶことがあります。
この頭蓋基底は,歯科矯正学の分野では,計測の都合上,大後頭孔からナジオン(前頭骨と鼻骨の縫合部)まで,として扱っています。
そうすると,頭蓋基底を構成する骨は,後頭骨,蝶形骨,篩骨,前頭骨の4つということになります。
なお,解剖学的に頭蓋基底とは大後頭孔から盲孔までと定義されるようです。

ほおずき市で浅草寺へ [雑記]
ほおずき市で浅草寺へ
7月9日と10日は,浅草寺のほおずき市で,休みを使って行ってみました。


銀座線です。

平日の昼間ですが,仲見世も意外と混んでいました。

混雑はこのくらい。

ホオズキは2500円均一でした。

この日のお札は黄色のカバーがついていました。

この日限定の雷除けも売ってました。これは500円。

ゆっくりとお参りをしたい,という方には,左手(花屋敷側)にあるこちらがお勧めです。生まれ歳ごとの守り本尊(?)がすべて揃っています。

こちらでは,携帯用の雷除けを売ってます。これは800円。

浅草寺のネコか?

あまりかわいくない。

ここにいた。

でした。
アメとハチミツ [ムシ歯予防・予防歯科]
アメとハチミツ
糖といえば,ショ糖を思い浮かべる方が多いと思います。このショ糖は,ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合したものです。
ところで,甘い物を頭に思い浮かべようとしたとき,アメがあります。
アメはアメでも水アメは,麦芽糖(マルトース)で,ブドウ糖が2つ結合したものです。
麦芽糖は,麦芽中に含まれている酵素や酸でデンプンを分解してつくられます。水アメは,砂糖を原料としなくてもつくることができるということです。
ところで,アメは紀元前3世紀の中国ではすでにつくられていたそうで,日本では平安時代につくられるようになっています。
このときのアメの作り方は,デンプンを蒸して,麦芽の粉末と水を加えて,数時間保温します。その後で液を濃縮すると,飴ができるという方法です。
このアメには,麦芽糖とデキストリン(ブドウ糖が長くつながったもの)が含まれています。アメが粘り気をもっているのは,デキストリンが含まれているためです。
人類が最初に味わった甘味は,果物だったと考えていいでしょう。
その次は,おそらくハチミツではないかな。その次がアメ,という順番と考えています。
果物には,ショ糖,果糖,ブドウ糖などが含まれていますから,これが甘味の物質です。
ハチミツに関してですが,採りたてのハチミツよりも保存されたハチミツの方が甘いのではないかと私は考えています。それは,ハチミツに含まれているショ糖が,保存することで,酵素によりブドウ糖と果糖に分解するという考えからです。
甘味の強さは,果糖>ショ糖>ブドウ糖>麦芽糖=乳糖=ガラクトースの順ですから,ハチミツの甘さの主役は,果糖と考えていいのではないでしょうか。
ブログに書く前に調べればいいことなのですが,何となく書いてしました。

歯の解放 [咬合と咀嚼]
歯の解放
現在に至るまで,地球上には多くの生物種が繁栄と滅亡をくり返してきた。
このことについて誰もが興味を持つのが,ハ虫類であった恐竜の中生代における繁栄と滅亡であろう。
恐竜滅亡の原因については,諸説あるがここでは触れない。しかし,恐竜という生物が生命を終えるのは,不測の事故(たとえば闘争などによる外傷)を除けば,老衰あるいはエネルギー不足による衰弱と考えられる。
恐竜という種の滅亡と,恐竜という個体の終焉を同一にはできないが,個々の個体の持続的な減少が全体としての恐竜種の滅亡につながったのであろう。
恐竜が生活していた中生代は,われわれが生活している現代よりも,気候的には暮らしやすかったのではないだろうか。
地球が動物に優しくなくなって,そしていくつかの種が滅んでいった,と考えるのはどうでしょうか。
少ない食物から,十分なエネルギーを引き出せることは,地上にその種の個体数を増やすには,おそらく最適の方法ではないだろうか。
人間が地上を支配しているのは,エネルギー源としての食料を自分の手で作り出す(農耕)能力があるばかりでなく,人間の持っている食物からエネルギーを引き出す方法が,他の動物に比べてひじょうに効率がいいからではないだろうか。
エネルギーを引き出してくる過程は内呼吸であるが,その前に小腸での吸収があり,さらにその前に胃から始まる消化の過程があり,遡ると口の中での歯による咀嚼から始まっていることに気がつく。
このようにエネルギーの獲得の過程を眺めると,はじめの窓口である咀嚼器官が重要な位置を占めている。
つまり,生命を維持するためのエネルギー源である食物(エサ)を食べる営み(捕食行動あるいは摂食行為)が,いかに合理的に行なわれるかが動物の種の繁栄および維持のためにひじょうに重要な歴史的課題であった。
歯医者だから,何事も咀嚼とか歯とかに結びつけているように感じられるかもしれないが,動物がそれぞれの食性に応じた咀嚼器官の構造を備えている重要性は,再考していただければ歯医者の独断でないことは頷いてもらえると思う。
咀嚼の重要性は,現存する動物において,その咀嚼器官の形態と消化の様式を考えると分かると思う。
セキツイ動物のハ虫類以下の動物では,食物(エサ)は丸飲みしている。この場合,歯や顎の構造は単純な形態をしている。
つまり,ハ虫類の咀嚼器官は,食物をエネルギー効率がよい状態にまで処理するという役目を果たしていない。単に食物としての獲物を捕獲するための手段である。
食物となる獲物をくわえたら,それを落とさないように,あるいは逃げ出していかないように,しっかりと咬んで押さえつけておかなければならない。
肉食性の恐竜であるティラノサウルスは,その歯はギザギザで,あれに噛みつかれた二度と逃れることはできない恐怖を覚える。
もう一つ,歯は,種内あるいは種間の闘争のための武器として有効に利用できるような形態的な適応の方が優先しているように思われる。
ところが,ホ乳類のレベルまで上がってくると,食性が拡大することで,咀嚼器官の構造と顎運動様式が複雑になってくる。
とくに人類では,咀嚼器官である歯を,捕食のための手段とか,種内・種間における闘争のための武器としての役割から解放した。
このような歯の持っている咀嚼器官以外の側面的役割は,多くのホ乳類,高等な霊長類ですら捨て切ることができなかったものである。
人類におけるように咀嚼器官である歯がその側面的役割から解放されたことには,生物学的にきわめて重要な意味をもつと考えられている。その結果,咀嚼器官の発達にさらに拍車がかかり,人類の食性の幅が広がったのである。

空気嚥下 [雑記]
空気嚥下
高校生くらいの頃,空腹でもないのにお腹がグルグル鳴って,ひじょうにイヤに思っていた。
何かの折りに,札幌医科大の解剖の先生の講演を聴いていたなかで,空気嚥下の話がはさまっていた。
若い頃は気にしていたのに,今では何とも感じなくなってから解決した。
神経質な人,という断りがつくので,これがかつての私に当てはまっていたのかどうかは別として,肺換気が過剰(つまり過換気)になりやすく,日頃から多量の空気を嚥下しているという。
これが空気嚥下と言われるもので,腸内ガスを増加させることと関係している。
神経質な人でなくとも,食事のときには食べ物と一緒に,ある程度の量の空気を嚥下している。
このように飲み込まれた空気の一部は上方に吐き出されるが,これはゲップである。
ゲップとして排気されなかった残りの空気は,消化管中を先に進んで,その途中で一部は吸収されるものの,大部分は大腸まで達してしまう。
大腸に至ると,細菌の作用で,炭水化物やその他の物質から生じた水素,硫化水素,メタンガスが加わり,腸内ガスとなって排出される。これは放屁(オナラ)である(放屁の臭気の大部分は硫化物によるもの)。
ヒトの消化管内に存在するガスの量は,正常時では約200mlで,1日の産出量は500~1.500mlである。
腸内ガスにより腸がケイレンするような収縮が起こり,お腹がグルグルと鳴る腸鳴を起こしたり,腸の不快症状を感じる人もいる,とあっさり終わるのだが,これが気になったこともあった,という話でした。

大臼歯 [歯の解剖学・形態学・発生学]
大臼歯
大臼歯は,小臼歯の後方(歯科用語では遠心)に続く歯で,上下顎の左右側にそれぞれ3対あります。
大臼歯の数
大臼歯の数は,全部で,3×2×2=12本となるはずですが,最後方(いちばん後ろ)の大臼歯である第三大臼歯(智歯)は先天的に欠如することが多いので,8~12本の間となります。
大臼歯の別称にはいくつかあります。
①側歯
大臼歯は小臼歯とともに側歯と呼ぶことがありますが,これは切歯と犬歯を前歯と呼ぶことに対応しています。
②後頬歯
小臼歯と大臼歯は頬内面に面していることから,頬歯と呼ぶことがありますが,大臼歯はその位置から後頬歯とも呼ぶことができます。
③加生歯・増加歯
大臼歯を加生歯または増加歯と呼ぶことがあります。この理由は,ちょっと複雑で,次のようになります。大臼歯は理論的には乳歯に属する歯と考えることができますが,他の乳歯とは異なり,代生歯を欠いています。さらに,大臼歯は生涯にわたって機能を営むことから,その形態も乳歯よりも永久歯に類似していて,このことから永久歯化した乳歯と考えることもできます。そこで,これらの点を強調するときには,大臼歯を,加生歯または増加歯と呼ぶことがあります。
咬頭の数
上顎大臼歯は4咬頭,下顎大臼歯は5咬頭です(多咬頭歯という性質)。大臼歯が多咬頭歯となるのは,その咬合面が食物を磨りつぶす機能に適応するため,とわたしは考えています。
歯根の数
上顎大臼歯は3根,下顎大臼歯は2根です(多根歯ということも別称も可能でしょう)。
歯冠
大臼歯の歯冠はほぼ立方体です。6面に区別することができます。ただし,そのうちの1面は歯根との境界面です。すなわち,6面のうち1面は実在しない観念上の面で,残り5面が自由面で,これらには咬合面,頬側面,舌側面,近心面,遠心面という名称が与えられています。
GERAND|河野矯正歯科
菖蒲とアヤメ [雑記]
菖蒲とアヤメ
菖蒲とアヤメは同じことを知った。違うかと思っていた。
ところで,昨日,電球が切れたのでさくらやへ行ったついでに,Macを見た。買おうか?
今のPCは,5年前に購入のDELL。そろそろ,こちらも危ない。そのうち止まるか?
Macは,10年くらい前まで使っていたのだが。もう一度乗り換えますかねえ。

上の写真は,菖蒲ではありません。何だろう。
骨芽細胞のこと [骨の吸収と形成・ストレス]
骨芽細胞のこと
骨組織中で問題となる細胞は,骨細胞,骨芽細胞,破骨細胞,さらにそれの前駆細胞群ですが,骨芽細胞の思い出を書いておきます。
骨芽細胞は,骨基質を形成する細胞ですが,いつまでも骨基質を形成しているのではなくて,一定量(としか言えないのですが)の骨基質を形成すると,骨形成を止めてしまい,骨組織中に活動を停止した状態でとどまります。これが,骨細胞の由来です。
骨細胞は,骨組織中でネットワークを形成しているという重要な特徴があります。
骨組織は,体を支える役割,運動をするときの支柱として役割が目立った機能ですが,カルシウムの貯蔵部位でもあります。カルシウムは,体の中でいくつかの重要な枠割りを果たしていたと思います。
たとえば,カルシウムは,筋肉の収縮を起こすために必要だったり,食べ物の異化の過程でも触媒(?)としての役割もあったと思います。これらのカルシウムの役割は重要で,これらが行われなくと人間は動けなくなってします。これらに必要なカルシウムは骨組織から動員されるので,骨組織のカルシウム量が減少することになるでしょう。
骨組織のカルシウム量が減って,多少骨が脆くなっても人間は,とりあえず生きていけます。適当な時期にカルシウムを補給していけば,骨組織は改修されて,カルシウム量が戻るでしょう。
骨組織からのカルシウムを動員しよう,という情報は,骨組織中の骨細胞が伝達しているのではないか,と考える説があります。私もこの説が好きです。
生体が生存し続けるためには,カルシウムを骨組織から動員するのですが,それを最終的に制御しているのが骨細胞である,というのが好きです。
この辺りの話題はここまでにして,すべての骨芽細胞が骨細胞になるのではなくて,扁平化して骨表面を覆うものもあります。
扁平化した骨芽細胞の微細構造は,細胞内小器官が未発達で,どの程度扁平かというと,薄いところでは0.1ミクロン以下と言われています。
このくらい平べったくなると,骨形成能はないでしょう。
扁平になった骨芽細胞をbone lining cellと呼ぶことがあるようです。Bone lining cellは,骨の表面に存在する扁平な形態の,骨形成能を持たなくなった骨芽細胞である,としておきます。Bone lining cellと,見たり聞いたりしたとき,それは何?と思っていたのは私だけでしょうか。
また同様に,endosteal bone lining cellと呼ばれることもありますが,骨内膜表面に存在することに由来する命名でしょう。
Bone lining cellは,石灰化した骨表面に直に接しているか,それとも類骨層みたいなのを介して骨表面に接しているかという問題があります。
直に接しているのは無視して,骨表との間にある物が介在する方が注目されるのですが,その薄い層はオスミウム好性で,境界板と呼ばれています。
境界板は,Lamina Limitansと呼ぶことのほうが多いと思います。
ラミナ・リミタンスは,ボーン・ライニング・セルと骨との間にあるのだ,が分かるまでに何年かかったのだろう。
Lamina Limitansの役割は,骨基質と組織液との間に介在する一種の障壁,と思っています。
最後に,Lamina Limitansの生化学的意見を紹介します。なるほど,とは思いますが,よく分からない。
・・・・・Lamina Limitansと同様の構造が,成熟した骨細胞や骨小腔や骨細管壁にも認められることより,骨基質と組織液との間に介在する生物学的障壁の役割を果たしていると考えられる。さらに,鉛などを投与すると,Lamina Limitansに沈着するので,単に物質の拡散に対して障壁として作用しているのではなく,物質の吸着や濃縮の機能ももつ可能性がある。Lamina Limitansは扁平化した骨芽細胞の最終産物と思われ,糖タンパク質やコラーゲンの分解産物なども含んでいる可能性が推測される。休止期に至る間に骨芽細胞が一種のコラゲナーゼを分泌し,残っている未石灰化基質中のコラーゲンを分解・除去し,同時にその分解産物としてのペプチドが石灰化骨表面に残り,これらがLamina Limitans中に含まれ,破骨細胞の誘導・分化に関係しているとも考えられ・・・・・

T細胞とB細胞による抗原認識機構 [免疫とアレルギー]
T細胞とB細胞による抗原認識機構
免疫については,歯学部では細菌学(微生物学)の講義のときにありました。他の大学の歯学部ではどうなのでしょうか。補体については,医学部の内科講師がやって来たような記憶もあるのですが。
免疫は,歯科の臨床に出てみると,意外と関係があることに気がついたのですが,講義を受けていたときや期末試験の時には,何となくやり過ごしてしまった分野です。もう一度,おりにふれて振り返っています。
さて,抗原を特異的に認識して反応する細胞は,T細胞とB細胞でしょう。
抗原に対する特異性ということが生体ではかなり重要になってくるのですが,これはT細胞とB細胞の表面に存在している抗原レセプターに依存しています。
この抗原レセプターは,B細胞では免疫グロブリンの可変部の表面に存在していて,T細胞では免疫グロブリンのH鎖可変部に存在しています。
T細胞とB細胞は,遺伝的に決定された特定の抗原決定基に対するレセプターをもっています。その抗原に遭遇したとき,相補的に結合して,細胞が活性化します。
細胞が活性化するということは,DNAの合成が活発になることですから,形態的には細胞は大型化(すなわち幼若化)します。そして,分裂して,増殖するのですが,これをクローンの拡大と言ったと思います。結果的には,分化・成熟した抗原特異的な反応を導く細胞集団を構成するに至る,です。
B細胞では,抗原刺激によって分化成熟すると,形質細胞になります。形質細胞は,抗原レセプターを構成している免疫グロブリンの可変部の特異性をもった抗体を産生します。つまり,同じ可変部をもった免疫グロブリンを産生することと同じです。
このことから,B細胞は,少なくとも1つの特定の抗体をつくる遺伝情報をもっていることになります。遺伝情報という面からすれば,B細胞は,免疫グロブリン分子の可変部のアミノ酸配列をコードしている,と書くこともできます。
また,T細胞は,B細胞に比べると抗原レセプターの数がはるかに少ないとされています。つまり,T細胞の抗原に対する感受性は,B細胞に比べて高く,少量の抗原でも認識することができることにつながります。しかし,T細胞の特異性は,B細胞の持つ特異性ほど厳格ではない,という反面ももっています。






