So-net無料ブログ作成
検索選択
口腔病変・病理学 ブログトップ
前の10件 | -

カンジダ症の防御作用 [口腔病変・病理学]

 高齢社会となって寿命が延長しました。医療も進歩し,臓器の移植も以前に比べれば多く行われるようになりました。また,免疫抑制作用をもっているようなウイルス感染も出てきました。

 このような環境は,真菌の増殖にとって好都合であると考えられます。真菌感染症は増加することが予想され,歯科領域で問題となる真菌感染症は口腔内のカンジダ症です。

 真菌感染症の中でも,カンジダ菌が原因となるものが最も多いとされています。たとえば,エイズにおける直接の死因の大多数は,カンジダ菌感染症であることが知られています。

 カンジダ菌は,皮フ,消化管,気道に生息していますが,口の中はカンジダ菌が好きな生息場所です。このため,口腔はカンジダ症に陥ることがあるだけでなく,他臓器のカンジダ症の原因にもなる可能性もあるでしょう。

 口腔内には歯が骨に植わっていますが,歯の周囲は歯肉が覆っており,歯の表面と歯肉との間には歯肉溝という隙間が存在します。口腔粘膜の表面,とくに舌の表面には凹凸が多数あります。

 このような解剖学的な形態は,カンジダ菌が生息するには都合のよい形態です。

 しかしながら,口の中では唾液が分泌されています。つまり,唾液が流れることで,機械的に浄化が行われているのですが,さらに,唾液中の抗菌物質の作用によって,細菌やカンジダ菌の増殖や付着が抑制されています。

 このような制御作用は,唾液だけでなく,歯肉溝から漏出する歯肉溝液にも唾液と同じようにあります。

 唾液や歯肉溝液には,好中球やマクロファージが含まれているので,口腔内の細菌や真菌などの侵入を防ぐ作用を行っています。



帯状疱疹 [口腔病変・病理学]

 帯状癌疹は,軽い神経痛様の疼痛を伴って,水疱が形成されます。

 脊椎神経領域では,左右の神経領域が同時に侵されることがありますが,三叉神経領域では片側性に出現します。この点が診断で,有力な手掛かりとなります。

 帯状疱疹は,水疱が消失した後に痂皮を形成し,治癒した後でもチクチクと針で刺すような痛みが存続することがしばしばあります。このため,帯状疱疹の治療で重要なことは,水疱に対する治療ではなく,神経痛の治療と予防になります。

 このため,支配神経(つまりヘルペスウィルスに罹患している神経)に対するブロックが有効です。

 罹患した顔面皮膚に対して,消炎を図る目的で各種軟膏が用いられることがありますが,一般に,帯状疱疹には軟膏の使用を推奨しない医師が多いようです。とくに,ステロイド軟膏を急性期で使用すると,病変の増悪を招く危険があるともいわれています。

 帯状疱疹の現れている皮膚は,乾燥を保つことが治癒を早めるコツでしょう。



ヘルペス性口内炎 [口腔病変・病理学]

 ヘルペス性口内炎は,ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型)が,第1回目に感染したときに発症する口内炎です。

 前駆症状として,1~3日間の39度を超えない発熱がありますが,この時点では診断することはできません。

 つづいて,口腔粘膜に水庖が現れ,これらはすぐに破れて,ビラン,潰瘍となります。さらに,それらが融合して大きな潰瘍・ビランとなります。

 このような経過と口腔内の症状を観察すれば,ヘルペス性口内炎と診断することは難しくありません。

 確定診断は,血清中の抗体価を測定するか,ウイルスを培養して同定する必要があります。

 治療法は,対症療法と抗ウイルス剤が使用されることになります。

 痛みがあるので,それを抑えるために消炎鎮痛剤が投与されます。冷えたうがい薬の使用も効果があります。

 抗生剤を投与して,2次感染を防止しようと考える先生もいますが,原則的には不要であると教科書には書いてあります。

 触るとひじょうに痛がって,食事ができない場合があります。体力の低下を防ぐために,とくに乳幼児では,輸液やチューブを用いた栄養補給が必要となる場合があります。

 アシクロビルやガンシクロビルなど,単純ヘルペスに効果がある抗ウイルス剤が,ウイルス性脳炎や角結膜炎の予防を兼ねて投与されます。

 症状がおさまった後,ヘルペスウイルスは三叉神経節に潜伏して生き続けます。たまに,神経線維を通って,その神経が分布する細胞で増殖したりします。これを,再燃症状を呈するといいます。

 これが,口唇ヘルペスです。口唇ヘルペスに対しては,抗ウイルス剤軟膏の使用が効果的と考えている医師や歯科医師もいます。



萌出性嚢胞と萌出性血腫 [口腔病変・病理学]

 乳歯が生えてくる時に,その部位の歯肉に認められる膨隆が,萌出性嚢胞です。

 歯肉の膨隆の境界は明瞭で,指で触れると波動を感じます。

 萌出性嚢胞は,歯原性嚢胞の上皮性嚢胞に分類されますが,なぜ発生するのかは不明です。また,発生の頻度や好発する部位も明らかになっていません。

 萌出性嚢胞に対する処置は特に必要なく,乳歯が生えてくれば消失します。

 なお,これが原因で,哺乳が困難となったり,乳歯が生えてこないような時は,開窓処置を行うことがあります。

 萌出性血腫は,萌出嚢胞と同様のもので,内容物に血液成分が混入しているので,膨隆部は青紫色~暗紫色に見えます。

 萌出性血腫の処置は,萌出性嚢胞の処置と同様です。



リガ・フェーデ病 [口腔病変・病理学]

 先天歯が原因となる,舌下面に生じる褥瘡性潰瘍をリガ・フェーデ病と呼んでいます。

 先天歯は,出産歯と新生歯に分けられます。

 出産歯とは,出生時にすでに口腔内に生えている歯です。また,新生歯とは,生後1ヵ月以内に生えてきた歯です。これらは,下顎の前歯部(乳中切歯部)に生えてきます。

 これらの先天歯の表面はザラザラとしており,形も普通の乳歯とは異なっています。また,歯冠部だけで歯根は認められないものや,歯根が形成されていても非常に短いものなどの特徴があります。

 乳幼児は舌を前後にだけ動かすので,先天歯が生えていると,舌下面に機械的刺激が加わって褥瘡性潰瘍ができやすくなります。
 
 処置の前に,まずレントゲン写真を撮影して,過剰歯か真の乳歯かを確認します。

 先天歯が過剰歯の場合は,それを抜歯します。

 先天歯が真の乳歯の場合は,抜歯することはできるだけ避けたいので,切端部を削るか,レジン充填を行って,舌への機械的刺激を減らします。それでも潰瘍が消退しない場合は,抜歯となります。

 また,歯根が極端に短く動揺が著しい場合は,自然に脱落する可能性があります。これを放置しておくと,乳幼児では誤嚥する危険があるので,抜歯することもあります。



頬噛み [口腔病変・病理学]

 頬粘膜に,上下顎の歯を咬み合わせたときに,上下の歯列の隙間に沿って,隆起を伴った白線がみられることがあります。

 これには,咬合線(occlusal line)という用語を用いることがあります。

 咬合線には,角化して白色の程度が弱いものと,強いものがあります。強いものは白線(white line)といいますが,弱いものと強いものとを合わせて頬粘膜圧痕(buccal mucosa ridging)といいます。また,舌に存在する圧痕を舌圧痕(tongue indentation)と呼びます。

 通常,これらの圧痕は疼痛を伴うことはなく,その範囲が変化することもありません。

 頬噛み(cheek biting)には,頬粘膜圧痕を慢性的に噛んでいる場合もありますが,単に咬んだときのアクシデントとして生じる場合もあります。

 後者のアクシデントによる頬噛みでは,頬を噛んだときの疼痛とその後に弱い鈍痛を感じることがあります。これ以外の場合には自覚症状はありません。

 頬粘膜の白線の原因は,咬頬癖(cheek chewing)や頬吸引癖(cheek sucking)などの口腔習癖の結果として,摩擦によって粘膜上皮が肥厚したためです。



病巣感染のメカニズム [口腔病変・病理学]

 病巣感染は,限局性の慢性病巣(原発巣)の存在によって惹起される疾患です。

 原発巣自体はたいした症状はありませんが,これが原因となって,直接連絡のない遠隔臓器に基質的変化や機能的障害など,体に何らかの異常を呈する二次疾患が起こっていることがあります。

 この場合,原発巣が歯科系の疾患であれば,歯性病巣感染といいます。

 病巣感染の発症メカニズムを含めて,その詳細はまだ完全には解明されていないとわたしは考えています。

 以前は,原発巣の細菌が血中に入って,血行で運ばれて,適切な臓器に至るとそこに住み着いて発症するという,血行媒介説や臓器親和説が考えられていました。

 しかしながら,二次疾患の部分にほとんど細菌が検出されない場合もあり,また,原発巣に細菌がいなくても病巣感染が生じることが分かってきました。このため,病巣感染は,広い意味でのアレルギー反応によるものと考えることが支配的なようです。

 このことは,やたらと歯性病巣感染という診断を下すべきではない,歯科医に忠告しているようです。病巣感染と診断するにあたっては,さまざまな近代的な医学的手段と主治医の豊富な臨床経験が必要になるでしょう。

 たしかに,病巣感染巣(原発巣)を治療すると,二次疾患が治癒することを経験することはあります。しかし,二次疾患の患者において原発巣を有する頻度が,二次疾患を有しない者に比較して多いという確かな報告を目にしたことはありません。

 つまり,治療の目的で抜歯を安易に行うことは慎むべきであるという警告ではないでしょうか。歯科医は医科の領域に口を出しても手は出さない,が大原則です。二次疾患は医科の領域ですから,それを治療しようとして抜歯するなど,領域外の仕事に当たるわけです。

 しかし,小児における慢性微熱や,リウマチ熱,心内膜炎,紫斑病などに対して,歯性病巣感染の可能性もあるわけですから,この点を忘れなければ,歯科医としては十分と思います。



エプーリス [口腔病変・病理学]

 エプーリスepulisというのは,ep(上)とulis(歯肉)より,歯肉に生じたすべての腫れ物の臨床的名称です。

 ただし,ガン腫,肉腫,歯髄ポリープ,歯根ポリープは除きます。

 まれに先天的に発生することもありますが,歯槽骨(歯槽突起)の骨膜や歯根膜より発生し,歯肉とくに歯肉遊離縁から有茎性に発育します。

 正常粘膜で覆われていて,大きさは小豆大~小鶏卵大まであります。

 炎症性の新生物であり,腫瘍ではなく腫瘍類似疾患となります。

 色と硬さは歯肉と同じかそれに近いことが多いのですが,肉腫性エプーリスは血管に富むために帯青赤色で軟らかい特徴があります(エプーリスの分類と処置法は後日)。

 20~40歳代の女性に好発する特徴があり,女性では男性の2~4倍頻発します。

 好発部位は,前歯~小臼歯部で,大臼歯に発生することは,まず,ありません。。

 これが成長して増大したときは,歯槽骨の破壊と吸収が起こっているので,歯に動揺がみられます。まれですが,歯髄炎を併発していることもあります。

 本来はこの表面は正常粘膜に覆われているのですが,歯肉面から突出しているので,その表面が歯などによる摩擦(このときは対合歯の圧痕を認めることができます)によって,ビランあるいは潰瘍となっていることもあります。



病巣感染 [口腔病変・病理学]

 病巣感染とは,細菌を有する限局性の慢性炎症巣の存在が原因となって引き起こされる疾病です。あまり耳にしたことがないかもしれませんが,歯科では歯性病巣感染として,講義でも取り上げられますし,国家試験にも出題されることがあります。

 病巣感染では,慢性炎症巣自体はたいした症状がないか,あるいは周期的にわずかに活動をする程度で,患者さんとしてはあまり問題と感じていない場合が多いのです。しかしながら,この病巣と直接連絡のない遠隔の場所に,一定の基質的な病変ないし機能的障害という二次疾患が生じるのです。

 病巣感染の原発巣(病巣感染巣)としては,次のように,いろいろと考えられています。

 ・慢性扁桃炎
 ・慢性歯牙疾患
 ・慢性中耳炎
 ・慢性副鼻腔炎
 ・胆のう炎
 ・虫垂炎
 ・前立腺炎

 これらのうちで扁桃炎と歯牙疾患の2つが,原発巣の大多数を占めているといわれています。

 病巣感染によって起こりうる二次疾患(継発性疾患)としては,次のようなものをあげることができます。

 ・小児の慢性微熱
 ・慢性関節リウマチを代表とする骨,関節,筋,腱などの疾患
 ・リウマチ心炎をはじめ心筋障害や心臓神経症
 ・腎炎
 ・神経痛および神経炎
 ・アレルギー性皮膚疾患

 以上の二次疾患は,病巣感染巣(原発巣)と直接的な結びつきはありません。ただ,その発症においてのみ因果関係を持っている,ということに注意する必要があります。



歯の形成不全 [口腔病変・病理学]

 歯の発育期に何らかの原因が加わると,歯の構造に異常が生じます。

 この変化は,原因が加わった時期において,その時に形成中であった歯の構造に現れます。

 歯質の外形(輪郭)や構造の欠陥があるものを減形成といい,歯質内における石灰化の障害を石灰化不全といい,この2つの歯の形成不全は代表されます。

 歯の構造の異常は,その原因となる障害の程度が強いほど顕著に現れるのは当然ですが,原因の加わる時期が発育の初期であるほど大きな変化を生じさせることになります。

 一般に,象牙質よりもエナメル質の方が変化を受けやすい傾向があります。これについては,次の3つの理由から理解することができます。

1.生活力あるいは再生力において,エナメル芽細胞の方が象牙芽細胞よりも低い。

2.エナメル質の大部分の構成成分は無機質であるため,有機質基質の形成障害がなくとも,石灰化障害があるだけで顕著な形成不全を呈するに至る。

3.エナメル器は歯胚の外側に位置しており,外的な障害の影響を受けやすい。



前の10件 | - 口腔病変・病理学 ブログトップ

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]
メッセージを送る


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。