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歯周外科の目的 [歯周病]

 最近の歯科治療ではインプラントが容易に行えるようになったので,歯周外科治療を敬遠する傾向があるようです。

 外科というと,拒否反応を示す方が多いので,当然の流れかもしれません。

 ということで,今ではあまり注目されなくなった歯周外科について,昔のノートを見直して,紹介します。

 かつては,歯周外科治療は歯周ポケットの除去を目的として行われたことが多かったようです。歯肉自体を切除してしまえば,歯周ポケットを減少することが可能だからです。

 当然,歯周ポケットの除去は,歯周外科の目的の一つして含めることは正しいのですが,これが歯周外科の最大の目的ではなかったはずです。

 歯根面のプラークと歯石を完全に除去することも,歯周外科の目的の一つです。

 歯周ポケットの深い部分に隠れている,プラークと歯石を露出させて,目で確かめながらこれらを除去することが可能となります。

 しかしながら,カ条に歯根面のセメント質を掻爬してしまうと,術後に知覚過敏が生じる危険性があります。つまり,やりやすいからといって,やりすぎは禁物ということでしょう。

 歯肉の過剰な増殖がある場合には,歯肉形態を修正してプラークコントロールを容易にする,ということも歯周外科の目的となります。

 最近では,歯肉の退宿による審美的な不良を歯周外科によって改善する,ということがよく行われるようになっているようです。

 これは当然のことで,過剰あるいは頻回のスケーリングによって歯肉は退縮してしまうので,これを取り戻そうというものです。



歯周病と歯磨き [歯周病]

 歯磨きの仕方について,感じていることを少しだけ。

 今,12月22日で,雨が降っています。明日も雨の予報ですが,24日のクリスマスイブには晴れるそうです。晴れていれば,車でも磨こうか,という日かもしれません。

 磨くということに関しては,歯も車も同じではないでしょうか。

 車の場合,洗ってワックスをかけるだけではピカピカにならないことは経験済みと思います。タイヤも洗って,ガラスの部分も磨かないと,全体としてキレイには見えないはずです。つまり,磨き残しがないことが,車をピカピカに見せるコツです。

 これは歯の場合にも当てはまると思います。歯に磨き残しがなければ,歯はキレイで,歯周病にはならないはずですし,歯周病の治療効果も上がります。

 車を磨くプロもいるそうですが,素人でも時間をかければ,それなりにキレイになると思います。歯も,歯医者へ行って磨いてもらうのが手軽にキレイになる方法かもしれませんが,時間をかけて丁寧に磨けばそれなりにキレイになるはずです。

 歯ブラシの当て方などの歯ブラシの方法について,アレがいい,コレがいい,という話は聞いたことがあると思います。これに耳を傾ける必要はありますが,まずは丁寧に時間をかけて歯を磨くことが,はじめの一歩でしょう。

 車と違って,歯は口の奥まで生えていますから,見えない箇所があります。そこまで磨き残しがないように磨くのは,それなりのテクニックがありそうです。そのテクニックを歯医者で教えてもらう前に,次の方法を試してみてください。

 磨き残しの部分を見つけて,そこを磨けば,問題は解決されるはずです。つまり,鏡の前に立って,指で頬を横などに引っ張って,目視すれば見つけることができるはずです。歯の裏側の部分は,ドラッグストアでも販売されている口の中へ入れることができる専用の小型の鏡を使えば,確認できます。

 磨き残しのプラークを赤く染め出す液や錠剤もありますが,これを使うとしばらく人前に出られなくなってします。使えるようならば,効果的ですが。

 歯磨きの時に注意する点として,歯ブラシを強く当てすぎないように注意します。歯に傷が付いてしまうからです。

 大切な新車を,クリストフルのナイフを,マイセンのカップを,ゴシゴシとは磨かないはずです。それらよりも,歯は大切です。磨り減らさないように,慎重に磨くべきです。

 今回の最後として,歯肉に歯ブラシを当てるかどうか,という問題があります。わたしは,よほど重篤な歯周病でない限り,歯肉に歯ブラシを当てない方がいいと考えています。これは見解の分かれるところですので,また日を改めて考えてみます。



歯周病治療の細菌学的検査 [歯周病]

 歯周治療における細菌学的検査の目的は,歯周病原菌を確定することです。

 歯周炎と思われる歯肉局所で増殖している歯周病原菌を特定できれば,その菌が感受性を示す抗生剤を的確に使用することができます。これは,細菌学を基礎とした治療法の基本でしょう。細菌の感染症に対しては,やみくもに抗生剤を使ったり,抗菌スペクトルの広い抗生剤を使用することは,教科書的には好ましくないこととされています。

 歯肉の広範な部位に歯周炎が発症している場合では,その根本となっている部位を特定して,歯周治療を必要とする歯肉の部位を限定することもできます。

 特定の歯周病原菌を,増殖起点から排除することを目的とするような歯周治療が可能となる,ということです。

 また,外科的な歯周治療や一般的な化学療法によっても効果がみられないとされている難治性歯周病の場合などでは,特定の歯周病原菌が明確になれば,その菌が最も高い感受性を示す抗菌剤を使用する,という治療方針をとることができるでしょう。これは,最短で最も効果的な治療法であると想像できると思います。

 歯周病への細菌学的検査は,以上のような診断にのみ活用できるだけでなく,歯周治療の効果を評価する指標としても活用できます。

 たとえば,歯周治療によっても炎症が消退しない場合があります。これは,歯周治療で最も困ることです。何回来院しても歯周炎が治らないわけですから,患者さんは絶望するし,歯医者は何をしてよいのか分からなくなってしまいます。このようなときは,細菌学検査を何回か行います。その検査結果を経時的に評価すれば,炎症のある歯肉局所に特定の歯周病原菌がいつまでも検出されているはず。そうであれば,その歯周炎の原因菌が確定できたことになりますから,その菌に対しての特化した治療を始めればよいことになります。

 現在,歯周治療は歯周病原菌(Haemophilus actinomycetemcomitansやBacteroides gingivalisなど)を,局所から排除することを目的として行われていますが,細菌学的検査は,その治療効果を判定することもできます。

 以上のように,歯周治療での細菌学的検査は有用と思われます。残念ながら,当院には細菌学的検査を行う施設がありません。細菌学的検査に基づいた歯周治療をご希望であれば,大規模の歯科診療所(医療法人)へ各自でお問い合わせください。



歯周病の診断の新しい方向性 [歯周病]

 歯周病はいくつかの病型に分けることができますが,歯周病の病因論が発展したおかげで,それぞれの病型に分類される歯周病はそれぞれに特異的な細菌による感染症であることが示されました。

 現在を含めて従来の歯周病診断法は,基本的に,臨床所見とX線写真所見から行われています。

 つまり,歯周ポケットの深さや歯の動揺度,X線写真からの歯槽骨吸収の程度を情報源として,患者さんの歯周病の診断を行い,治療につなげているのが現状です。臨床所見から,さまざまな病型の歯周病を鑑別診断しているのです。

 歯周病のさまざまな病型は,その局所に増加している細菌の種類によって特異的であることが明らかになっています。さらに,それらの細菌に対して,生体が免疫応答を起こしていることも明かです。この免疫応答は,免疫細胞の活性化によるもので,歯周病は局所反応だけでなく全身的反応を示す疾患であると考えることもできるでしょう。

 すなわち,歯周病の診断にあたっては,歯肉の炎症と歯周組織の破壊の程度を評価するだけでは不十分であると考えるのです。

 最近の歯周病における病因論の成果を治療に反映させるためには,細菌学的検査と免疫学的検査が必要となってくるのです。

細菌学的検査法

 細菌学的検査法とは,炎症局所で増殖している細菌が,歯周病の病原菌とされている細菌であるかどうかを調べることです。

 これには,特異性の高い抗体を用いる蛍光抗体法や,選択培地を用いる細菌培養法などで可能です。細菌が同定されれば,容易に歯周病の病型を鑑別診断できます。

免疫学的検査法

 免疫学的検査法からは,これまでは得ることが不可能だったような情報を手に入れることができます。

 歯肉溝滲出液中の歯周病原菌の,各々の特異的抗体価を測定すれば,病型の決定だけでなく,歯周病の治療の予後を判定することも可能です。

 免疫細胞の機能を検討すれば,歯周病に対する宿主の防衛能力を判定する指標となります。

 好中球やマクロファージの遊走能を測定すれば,歯周病の全体像を知ることができます。

 しかしながら,私の診療所のような小さな診療所では,細菌学的検査や免疫学的検査は無理です。なかなか治らない歯周病で困っている場合は,大きな病院または診療所で検査を受けて,歯周病の病型の鑑別診断を受ければ,的確な治療法を探すことができます。なお,歯科医院の選択で注意しなければならない点は,「この歯は保たないから抜いてしまいましょう」とインプラントを勧める歯科医院を敬遠することでしょう。



グラム陰性嫌気性桿菌 [歯周病]

 細菌を体内にまったく持たないように飼育された無菌動物には,歯周病は発症しない。このことからも,歯周病の発症には細菌が関与していることは明かである。

 歯周病の発症と関連している細菌を歯周病原菌というが,現在までに10種類ほどが見つかっているが,これらすべてはグラム陰性嫌気性桿菌である,という特徴がある。

 このグラム陰性嫌気性桿菌ということに注目して,歯周病を考えてみる。

 グラム陽性とか陰性という細菌における分類は,その細菌がグラム染色によって染まるか否かという,単純な違いに基づくものである。その違いが生じてくるのは,細菌の構造の違いを反映しているものである。

 グラム陽性菌と陰性菌では,その構造がまったく違うということではなく,共通の構造も多い。しかし,グラム陽性菌と陰性菌には,次のような違いがあることから,それがグラム染色性に違いが生じるのである。

 グラム陰性菌では,そのいちばん外側に外膜が存在することが特徴である。この外膜にはさまざまな物質が含まれているが,リポ多糖が歯周病における歯槽骨の吸収と関係している。

 リポ多糖は内毒素(エンドトキシン)であり,グラム陰性菌が特徴的に持っている物質であり,歯周病に罹患している歯の根面からはリポ多糖が検出される。根面からリポ多糖を機械的に除去しようとする歯科治療が,ルートプレーニングとなる。

 リポ多糖のような内毒素は,細菌が外に向かって分泌・放出している外毒素とは異なり,細菌の外膜にあって,それが時おりアカのように剥離脱落していく。

 また,リポ多糖は,外毒素のようにタンパク質ではなく,低分子であるため,強力な免疫反応を起こすこともない。

外毒素と内毒素

 食中毒などで問題となるのが外毒素である。外毒素は,タンパク質であり,細菌が作成して,菌体外に放出している。

 タンパク質である外毒素は,体内に入ると,激しい免疫反応を起こし,抗毒素という中和抗体を用いて,食中毒を治療することができる。

 内毒素はタンパク質ではなくリポ多糖であるから,激しい免疫反応を引き起こさない変わりに,中和抗体を用いて歯周病を治療することはできない。つまり,歯周病は細菌感染でありながら,感染予防のためにワクチンをつくることができないのである。



歯垢の細菌 [歯周病]

 歯周病の直接の原因は,歯にたまる歯垢(プラーク),細菌のかたまりです。

 歯垢中の細菌(群)に感染した歯肉が炎症を起こしたのが歯肉炎です。赤く腫れた状態で,まだ症状は軽く,細菌群,すなわち歯垢を完全に除去すれば,炎症はおさまり,再び健康な歯と歯肉を取り戻せます。

 歯周炎になってしまうと,かなり厄介です。これは,歯肉炎とは違って,歯と歯肉との問でそれらをつなぎとめている機能をもつ線維や歯根膜までもが,細菌に侵されているのです。歯と歯肉の間にポケットといわれる隙間ができ,それが歯を磨くと出血する原因になっています。この症状が出ると,軽い歯周病に侵されていることになります。

 歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)ができると,そこにまた細菌が侵入できる格好なポイントとなり,それは最悪のポイントでもあります。その細菌は,隙間を中へ中へと,深部に向かって侵食していき,どんどん奥まで入り込んでいきます。こうなると,炎症はもっとひどくなり,歯肉は化膿します。

 さらに進行すると,危険な状態に入っていきます。ポケットの奥深くに入った細菌は,歯肉と歯根膜だけでなく,歯槽骨にまで影響を及ぼします。細菌が産生した毒素によって,どんどん症状は悪化し,骨を溶かしてしまいます。こうなったら,かなり大変です。

 この時に,外的要因として,例えば,無理な力が歯にかかると,その分,骨の溶けていく度合いが増します。歯ぎしりもその一因です。細菌による骨の溶解と外的要因が併存すると,最悪のことになります。残念なことに,一度溶けてしまった骨は元には戻りません。歯を支えていた骨組織を失った歯は,やがてグラブラして,そして抜け落ちてしまいます。

 このような事態を避けるには,普段からの自覚が大切です。つまり,歯のチェックをマメに行うことです。

 毎日ちゃんと磨いているつもりでも,磨き残しは必ずあるものです。歯ブラシも,いつも使っているからと,無関心なのはいけない。毛先が開いてしまっているのをずっと使っていたり……。歯周病の予防は,毎日の正しいブラッシングですから,その道具にもちゃんと気を使ってください。

 商品も用途に応じて,いろいろあります。歯ブラシでも,毛先の丸まったもの,平らなもの,歯と歯の間を磨くものなど,さまざまです。

 磨き方や自分の不得意な部分を克服するためなど,用途に合わせて歯ブラシも使い分けるのが,賢明な方法です。

 普通の歯ブラシでは届かない歯の裏や隙間をキレイにする,歯間ブラシやデンタルフロスなどのケア商品も,面倒くさがらず,上手に併用することで,その効果は倍増します。



30代の約8割が歯周病 [歯周病]

 歯周病とは,歯周組織に起こる病気の総称です。歯周組織とは,歯を支えている組織,つまり,セメント質,歯肉,歯根膜と歯槽骨の病気ということになります。

 この歯周病には歯肉炎(これは歯肉が炎症を起こすもの)と,その症状が進行して歯根膜や歯槽骨まで障害を受けている歯周炎とがあります。歯槽膿漏は,歯周病の俗称で,化膿性歯周炎,排膿を伴う炎症性の歯周炎です。

 30代の約8割が歯周病にかかっているといわれています。

 初期の段階では自覚症状が少ない病気ですから,逆に怖いのがこの病気です。30代で8割と言われても,僕には,私には関係ないだろうと思ってしまうのは危険ということです。

 「痛い?」と思ったころにはかなり症状が進んでいて,手遅れのことが多いのです。歯肉から膿がジュっと出て,口臭をまき散らし,しまいには歯がポロリってことになる,のだ。

 別に歯はぐらついていないし,自分は大丈夫と思っている人も,鏡の前でよく歯肉を観察したほうがよい。口唇の裏側の粘膜の色よりも,歯肉の色が濃い赤色だったり,時々歯肉から血が出ていないかをチェックします。

 「歯肉から血……」は,歯周病の予備軍です。何気なく歯を磨いている時でも,歯と歯肉のチェックをしておきましょう。

 歯周病の治療の第一歩は「早期発見」です。ムシ歯だけが歯の病気ではありませんから,毎日のブラッシングの際に,歯肉のチェックも必要です。



歯石が付いていたら [歯周病]

 歯垢や歯石は,歯のトラブルの発生源です。歯垢は正しいブラッシングで落とすことができますが,固まった歯石は自分では除去できません。

 歯についた歯石を取り除く,これをスケーリングといいます。スケーリングにより,口の状態はスッキリ,サッパリとし,健康な歯の状態に戻りますが,その歯石の付着状態,部位から自分のブラッシングの欠点を知ることもできます。

 歯石は,磨き残して歯の表面に付着したままの歯垢が,唾液中のカルシウムと結合して固まったものです。

 これが歯周病の大きな原因となるのですが,もし歯石が付着したら毎日のブラッシングだけでは除去できません。

 歯石の表面は軽石みたいに小さな穴がたくさん開いていて,そこに細菌が入り込みやすいのです。そして増殖した細菌が出す毒素により,歯肉に炎症がおき,歯周病を発症させます。

 歯石の付着は,中高年だけでなく,青少年期から始まるということも忘れないでください。まだ若いから大丈夫,は禁物です。

 歯石の付着を防いで,歯医者で歯石を取り除いた後,歯の状態をキレイに保つのは毎日の歯磨きです。

 歯垢を残さない,増やさない,つくらせないことを,プラーク(歯垢)コントロールと言います。プラークコントロールの基本は,正しいブラッシングです。正しい,そして上手なブラッシングの方法を歯医者から教えてもらうとよいでしょう。

 そして,毎日実践しないと,ダメです。

 歯周病に勝つためには,これが唯一最良の方法です。歯垢や歯石が付着しないために,毎日のブラッシングを実践し,年に2回(できれば3回)は定期健診を受けたほうがよいでしょう。



カルシウム拮抗剤による歯肉増殖 [歯周病]

 カルシウム拮抗剤を服用している患者さんの口腔内所見として,歯間乳頭部に歯肉の増殖が認められます。

 カルシウム拮抗剤による歯肉増殖の組織学的所見は,抗てんかん剤であるフェニトイン(アレビアチン)による歯肉増殖と類似しています。

 カルシウム拮抗剤により,コラーゲン線維が増殖し,これにより歯肉が増大するのですが,その部位にプラークを原因とする歯肉炎などの炎症が合併すると,病状は増悪し,進行も早まります。

 処置としては,辺縁歯肉の部分を綿球にオキシドールを含ませたもので清拭します。できれば,辺縁歯肉と歯周ポケット内にヨードグリセリンを塗布します。投薬は,セフェム系抗生物質と塩化リゾチームを選択します。

 上記による経過は,約1週間後には疼痛などの急性炎症は軽減し,2週間後には自発痛はなくなるはずです。

 歯ブラシなどのプラークコントロールは,自発痛が消退した後から始めるべきでしょう。まずは自発痛の消退が次の処置へ進めるポイントです。

 歯肉増殖がいちじるしく,その形態修正が必要である場合は,疼痛がなくなり,プラークコントロールが可能になった後に行うべきでしょう。

【補足】カルシウム拮抗剤

 カルシウム拮抗剤は,狭心症や不整脈の治療薬として開発された薬剤で,血圧降下作用があるために高血圧患者の治療薬としても用いられている.

主なカルシウム拮抗剤

*ニフェジピン nifedipine 
*アダラート,セパミット,ヘルラート,アダラートL,セパミットR
*塩酸ニカルジピン nicardipine ペルジピン,ペルジピンLA
*ニルバジピン nilvadipine ニバジール
*ニソルピジン nisolpidine バイミカード
*ニトレンジピン nitrendipine バイロテンシン
*マニジピン manidipine カルスロット
*塩酸ジルチアゼム diltiazem ヘルペッサー
*塩酸ベラパミラ verapamil ワソラン

カルシウム拮抗剤が投与されている可能性があるおもな疾患

*高血圧(本態性,腎性)
*狭心症
*不整脈
*心不全(冠不全)
*動脈硬化症
*脳血流障害 脳卒中後遺症,椎骨動脈循環不全に伴う疾患,めまい



歯周炎の組織破壊 [歯周病]

 歯周炎における組織の破壊は,プラーク中に存在する細菌が原因となります。

 これには2つのルートがあって,1つは,細菌が産生した組織破壊性の物質によるルートで,もうひとつは,細菌が産生した物質に対する免疫反応が起こって組織が破壊されるルートです。

 前者を直接作用,後者を間接作用と呼ぶことができます。

 直接作用のルートで問題となるものは,歯周組織を溶解するような酵素や毒素(内毒素,外毒素,白血球毒素など)を,細菌が産生することです。毒素に限らず,細胞機能を傷害する因子であれば,歯肉に侵入すれば直接に組織を破壊しますので,この直接作用に含めることができます。細菌自体の構成成分が,歯周組織を直接アタックすることもあるので,これも直接作用に含めることができます。

 間接作用は,興味深いだけでなく,歯周炎に特徴的な反応で,歯周炎の病因を余さずに説明できる,意義のある現象です。まず,プラーク内の存在する細菌が産生する物質が,歯肉に炎症を惹起するだけでなく,免疫反応も引き起こすことを認めてください。次に,免疫反応(免疫応答)は,炎症に対しては防御的に作用する宿主の反応ですが,ここでは逆に破壊的な作用を現わし,歯周組織を破壊してしまいます。

 間接作用とは,プラーク由来の物質が抗原となって,歯肉に免疫反応を誘発し,それが組織を間接的に破壊する作用といえます。

 プラーク内の細菌が産生する物質は,抗原となりうるだけの分子量と構造をしています。これが,歯肉上皮(ポケット上皮あるいは接合上皮)を通過して,結合組織内に侵入します。まず,マクロファージが貪食します。そして,マクロファージはライソゾームの一部を組織内に放出して,破壊してしまいます。また,マクロファージは,抗原に作用して,Bリンパ球が識別できるようにします。

 Bリンパ球が抗原刺激を受けると,増殖します。引き続いて,形質細胞になって,抗体を産生します。

 ここまでの過程で,抗原抗体複合体が形成されて,これが補体を活性化することにより血管透過性を高め,さらに白血球の走化性を誘発します。

 このとき,好中球は,これらの免疫複合体を貪食しますが,同時にライソゾーム酵素を周囲の組織に放出して,破壊してしまいます。

 また,先ほどのBリンパ球は,リンフォカインを放出することで,炎症を増悪させてしまいます。活性化したマクロファージも,ライソゾーム酵素を放出して組織を破壊してしまいます。



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