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歯のホワイトニングと白い歯 [歯科材料・化学と物理]

 最近,日本では,歯の白さを追求する傾向があります。

 歯は,白い色が基本ですから,白いことに越したことはありません。しかし,米国人の肌の色と日本人の肌の色の違いについてを,念頭に置かねばなりません。

 米国では,きれいに揃った歯並びのための矯正治療ばかりでなく,白色の歯に対しても関心が集まり,歯の脱色が盛んに研究され,臨床でも応用されています。当然のごとく,この傾向は日本にも持ち込まれて,広まる傾向があります。

 日本人は,当然肌の色が白人とは異なりますから,ただ単に歯を白くしてしまうと,歯の白さだけが白く浮いてしまう状態になり,きわめて不自然となってしまう危険もあることもお忘れなく。

 ここで,ひとつの問題があります。歯のホワイトニング(米国ではブリーチングと呼ばれる)の効果についてです。

 歯科医が,黄色や灰色に着色した,重度の着色歯に対してホワイトニングを試みてしまうことです。そのような重度の着色歯のホワイトニングは,必ずといってよいほど,失敗してしまいます。これは,現在用いているホワイトニングの術式の禁忌症に対して,治療を行おうとしていることに,その失敗の原因があるのです。

 この結果,ホワイトニングでは歯は白くならない,という情報が歯科医の間に広まってしまうのです。この情報を知った歯科医は,自分がホワイトニングに対しての臨床経験がなくても,ホワイトニングでは歯は白くならない,と患者に説明してしまうような状況になってしまうのです。

 そのような禁忌症の歯に対して歯の色を白くするためには,ラミネートベニヤまたはセラミッククラウンによる治療を行うべきでなのです。

 ホワイトニングとは,ラミネートベニヤやセラミッククラウンによる治療を行うまでもないような,軽度の着色歯を白くするときに使用すべき術式です。

 ホワイトニングの適応症に対する認識を正しく持つことにより,侵襲の大きなラミネートベニヤやセラミッククラウンによる治療を回避して,歯を白くすることができるのです。



歯科材料の技術と歴史 [歯科材料・化学と物理]

 人類は,石器や土器を使用することで文明をもつことが可能となった,と考えてよいでしょう。さらに陶磁器の発明により,現代で言うならば「セラミック素材の時代」が訪れ,文明は高度なものとなりました。

 紀元前5000年には,金や青銅器が登場し,次いで鉄が登場することで,それ以降は「鉄の時代」が続くことになります。

 19世紀末には,高分子材料が登場し,20世紀に入ると,「プラスチック万能の時代」となり,身の回りから「鉄の器」を駆逐しました。

 さらに,ファインセラミックスの開発により,人類は再び「セラミックの時代」に戻りました。

 歯科におけるセラミックの応用は,フランス人の陶工に始まり,米国人C.H.Landによりインレーやジャケットクラウンに用いられたことで確立した,といわれています。さらに,メタルボンドの登場により,一応の完成の域に至っています。

 歯科材料は

 (1)金属
 (2)セラミック
 (3)高分子物質 

の3つに大別され,さらに,それらの複合材料も考えると4つに分類されます。

 特に,その複合材料は重要で,各材料の特性を組み合わせることで,新しい機能性を有する新素材を開発することが可能です。

 たとえば,金属の展延性と耐久性,セラミックスの化学的安定性と審美性,高分子物質の柔軟性と操作性という特性を組み合わせることで,メタルボンドやハイブリッドセラミックスなどが開発されました。

 歯質には代謝がおこらないわけですから,今後も歯科材料としての金属・セラミック・高分子物質が主役であることは間違いないでしょう。



歯科材料の生体為害性 [歯科材料・化学と物理]

 歯科では,古くから,充填材の歯髄に対する為害性が問題とされ,検討されてきました。最近では,インプラントの登場により,歯科材料の為害性だけでなく,生体との親和性も考慮しなくてはならなくなっています。

 材料の生体為害性や細胞毒性の主な原因は,材料から溶出する有害な微量成分や金属イオンによるものです。

 わが国で,歯科材料の生体為害性が問題となったはじめは,金合金の代用として銅合金を用いることが検討された時でした。

 公害や薬害事件が社会問題化した1970年代には,カドミウム合金の使用が規制されています。

 1982年には,ベリリウム合金の輸入および製造が禁止されました。この合金は,当時,ポーセレン焼き付け用の合金として広く用いられていたものです。

 1983年には,ニッケル・クロム合金の使用が保険診療で認められていますが,ニッケルには発ガン性やアレルギーの問題があり,海外では1974年以降ニッケル合金の使用は禁止されています。

 このニッケル合金は,矯正歯科の分野では,弾性ワイヤー(超弾性ワイヤー)として広く使用されています。矯正治療で用いるワイヤーは,ループを曲げて形を調整する必要がありましたので,矯正歯科医は,そのようなループを曲げる訓練を受ける必要がありました。しかし,ニッケル合金製の弾性ワイヤー(超弾性ワイヤー)の出現により,ループを曲げる必要がなくなり,訓練を積まなくとも矯正治療を行うことができるようになりました。これは,歯科医にとっては苦労が減りましたが,患者さんは弾性ワイヤー(超弾性ワイヤー)からのニッケルの溶出という被害をこうむることになっています。

 ニッケルアレルギーには人種差があると言われており,日本人にはニッケルによる金属アレルギーは生じないとされています。

 これは,ちょっと都合のよい話に聞こえますが,これまでにも,ニッケルを原因として発症したアレルギーの症例は報告されていません。

 これまでの多くの薬害事件で経験しているように,単に「報告されていない」だけであり,「発症していない」と断言することはできないと思われます。

 ニッケルに限らず,ほとんどの金属イオンは生体為害性を示します。

 生体内に埋め込まれるインプラント材として使用されるチタンでは,チタンイオンが15ppmの濃度になると細胞は生きていくことはできません。

 かつて,歯科医は歯髄に対する為害性にのみ配慮していれば,患者さんに対して不利益を与える心配はありませんでした。しかし,インプラントや,矯正治療を簡単に行えるニッケルチタン合金ワイヤー(弾性ワイヤー,超弾性ワイヤー)の出現などにより,歯の範囲を超えて患者さんの生体に為害作用を及ぼす危険性が,最近の歯科医療では増えています。

 最後に,インプラントについては生体に直接埋め込むので,その為害性は仕方ありませんが,矯正治療で使用する弾性ワイヤーや超弾性ワイヤーについては,その使用を中止し,安全なステンレスワイヤーを用いれば金属アレルギーなどの生体為害作用を防げます。

 矯正治療を受けられている患者さんであれば,治療のときに歯科医がワイヤーを曲げているかどうかで,弾性ワイヤーあるいは超弾性ワイヤーが自分に使用されているかどうかを知ることができます。弾性ワイヤーあるいは超弾性ワイヤーは,はじめから曲げられた製品の状態で供給されています。一方,安全とされるステンレス製のワイヤーは,一本の直線の棒状の製品として供給されています。

 矯正治療のときに,歯医者が,一本の真っ直ぐな針金を取り出して,それを曲げる操作をしているならば,安全とされるステンレス製の製品を使っている,と判断してよいでしょう。



ラセミ化法による年齢推定 [歯科材料・化学と物理]

 歯から年齢をする方法として,歯の摩耗や咬耗の程度から,おおよその年齢を推定することができます。しかし,この方法からの年齢の推定は,あくまでも「おおよそ」であります。つまり,歯ぎしりなどの習慣がある人の場合,歯が磨り減る量が多くなってしまうので,実年齢よりも推定年齢は大きくなってしまいます。また,当然ですが,この方法では,20歳代などのように,ある程度の幅を持った年齢の推定しかできません。

 誤差を少なく年齢を推定する方法として,ラセミ化法があります。これは,歯の象牙質中にあるアミノ酸のラセミ化反応を利用する方法です。

 人体を構成するアミノ酸は,すべてL型(光学異性体)です。しかし,骨や歯などでは,年齢の増加とともに,一定の速度でラセミ化が進行して,D型アミノ酸が増加して,ラセミ体へ変化していきます。

 とくに象牙質は,加齢にともない,アスパラギン酸のD型が,ほぼ規則正しく増加する特徴があります。つまり,象牙質内のアスパラギン酸のL型とD型の割合は,年齢との間に高い相関があることになります。これを利用することで,かなりの正確さで年齢を推定することができることになります。

 たとえば,歯の状態から30歳代と推定されたものの,さらに正確に年齢を推定したとしましょう。上顎の左右両側の第一大臼歯が,ムシ歯などの治療が行われていなかったとした場合,この2本の歯を試料とします。

 次に,対照となる試料を選ばなくてはなりません。30歳代と大まかに推定されているわけですから,20歳から40歳までの間で対照となる試料を選べば十分と考えられます。そこで,20歳,25歳,30歳,35歳,40歳のそれぞれ同側同名歯,この場合は上顎第一大臼歯を対照試料とします。

 対照試料に対してラセミ化法を行い,最小二乗法により回帰直線の式を求めます。それから年齢を推定することで,かなり正確な年齢が導き出されるものと考えられます。



水素原子の全エネルギーを計算 [歯科材料・化学と物理]

 水素原子のボーア模型より,水素原子の全エネルギーを計算できる。

 ボーアの模型より,水素原子は,電荷Ze(Zは原子番号,eは電子の電荷の大きさ)の重い核と,そのまわりの半径rの軌道上を速度vで運行する電荷e,質量mをもつ電子1個からなるものとして描くことができる。

 水素原子の電子に対して,次の手順で関係式を導くことで,水素原子の全エネルギーが計算できる。



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