So-net無料ブログ作成
免疫とアレルギー ブログトップ
前の10件 | -

T細胞とB細胞による抗原認識機構 [免疫とアレルギー]

T細胞とB細胞による抗原認識機構

 免疫については,歯学部では細菌学(微生物学)の講義のときにありました。他の大学の歯学部ではどうなのでしょうか。補体については,医学部の内科講師がやって来たような記憶もあるのですが。

 免疫は,歯科の臨床に出てみると,意外と関係があることに気がついたのですが,講義を受けていたときや期末試験の時には,何となくやり過ごしてしまった分野です。もう一度,おりにふれて振り返っています。

 さて,抗原を特異的に認識して反応する細胞は,T細胞とB細胞でしょう。

 抗原に対する特異性ということが生体ではかなり重要になってくるのですが,これはT細胞とB細胞の表面に存在している抗原レセプターに依存しています。

 この抗原レセプターは,B細胞では免疫グロブリンの可変部の表面に存在していて,T細胞では免疫グロブリンのH鎖可変部に存在しています。

 T細胞とB細胞は,遺伝的に決定された特定の抗原決定基に対するレセプターをもっています。その抗原に遭遇したとき,相補的に結合して,細胞が活性化します。

 細胞が活性化するということは,DNAの合成が活発になることですから,形態的には細胞は大型化(すなわち幼若化)します。そして,分裂して,増殖するのですが,これをクローンの拡大と言ったと思います。結果的には,分化・成熟した抗原特異的な反応を導く細胞集団を構成するに至る,です。

 B細胞では,抗原刺激によって分化成熟すると,形質細胞になります。形質細胞は,抗原レセプターを構成している免疫グロブリンの可変部の特異性をもった抗体を産生します。つまり,同じ可変部をもった免疫グロブリンを産生することと同じです。

 このことから,B細胞は,少なくとも1つの特定の抗体をつくる遺伝情報をもっていることになります。遺伝情報という面からすれば,B細胞は,免疫グロブリン分子の可変部のアミノ酸配列をコードしている,と書くこともできます。

 また,T細胞は,B細胞に比べると抗原レセプターの数がはるかに少ないとされています。つまり,T細胞の抗原に対する感受性は,B細胞に比べて高く,少量の抗原でも認識することができることにつながります。しかし,T細胞の特異性は,B細胞の持つ特異性ほど厳格ではない,という反面ももっています。



胎児の抗体産生 [免疫とアレルギー]

 免疫組織の発生は,血球の幹細胞が卵黄嚢に現れることで始まります。

 胎生2カ月頃,肝臓で赤血球を主体する血球が産生されるようになり,幹細胞が胸腺に運ばれてリンパ球の起源になると考えられています。

 次いで,胸腺でのリンパ球が盛んに産生されるようになって,脾臓やリンパ節が発達してきます。

 造血は,次第に骨髄で限局的に行われるようになりますが,胸腺や脾臓,リンパ節では出生後もリンパ球の産生が続きます。

 胎児は子宮に保護されていて,外来抗原との接触がないため,胎児には抗体産生が起こらない,と考えられがちです。

 ところが,胎児もIgGやIgMを産生しているといいます。

 胎児の血清中にあるIgGは母親由来ですが,出生時には母親よりも高いIgGをもっています。このことは,胎生末期には,胎児自身がIgGを産生していることになります。

 IgGの半減期は約21日ですし,出生後の成長に伴って血液が増するので,生後IgGはいったん低下します。その後,2~4ヵ月後,増加に転じ,3歳頃にはIgGはほとんど成人レベルに達します。

 IgG以外の免疫グロブリンは胎盤を通過することができないので,胎児の血中にあるIgMは,胎児自身が産生したものです。

 IgMは,20週以降の胎児血清中に存在しており,出生時には成人の約1/5量になっています。出生後は,IgMは急速に増加し,9カ月でほぼ成人レベルに達します。

 なお,IgA,IgD,IgEについては,新生児の血中にはごく微量にしか検出されないということです。



体液の成分 [免疫とアレルギー]

 生活している場所が水中であろうと陸上であろうと,最下等のものを除けば,動物の体細胞は皮膚に包まれています。

 さらに,細胞は細胞外液の中に浸っています。

 細胞は,この細胞外液との間で,酸素や栄養素を取り込んだり,老廃物を排泄したりしています。

 細胞外液の塩類濃度は,現在の海水よりも低くなっています。しかし,塩類の種類と組成の割合は似ています。おそらく細胞外液の塩類組成は,太古の原始大洋での海水組成に似ていると想像できます。

 人間のように閉鎖血管系をもつ動物では,細胞外液は間質液と循環血漿に分けることができます。

 間質液とは血漿以外の成分部分で,直接体細胞に触れていて,細胞の環境を構成しています。

 なお,体内の全水分量の約1/3は細胞外液です。残り2/3は細胞内にあります(細胞内液)。

 健康な成人男性では,体重の18%はタンパク質とその関連物質で,7%は塩類,15%は脂肪です。そして,残りの60%が水です。

 すると,細胞内液は体重の約40%で,細胞外液は体重の20%となります。

 細胞外液の約25%は血管内にあって,残り75%は血管外にあります。

 全血漿量を計算してみると,体重の5%となります。間質液量は体重の15%となります。なお,全血量(血球+血漿)は体重の約8%です。



炎症の原因 [免疫とアレルギー]

 炎症の原因となるものは,次のようにさまざまです。

 ウイルス,リケッチア,クラミジア,細菌・真菌スピロヘータ,原虫などが炎症の代表的な原因となります。

 しかし,そのような微生物以外の,物理的科学的因子によっても炎症は生じます。

 たとえば,機械的刺激,熱,寒冷,電気的刺激,放射線,紫外線などによっても炎症は起こります。

 さらに,酸,アルカリなどの薬剤によっても炎症は起こりますし,細菌や動物,ときには植物の毒素によっても炎症は起こります。

 以上あげた炎症の原因は,いずれも外来性の因子ですが,自己組織に由来するいわゆる自己抗原も炎症の原因となます。これは,自己免疫現象と呼ばれるものです。

 炎症の強さやその後の経過は,炎症の原因となったものの性状,作用時間,濃度などによって異なります。

 さらに,生体側の反応性も一様ではなく,さまざまな反応を示しますが,これは動物の種類,反応する臓器組織の種類,年齢,性別,個体の素因などによって決まってきます。

 これらは,感受性,という言葉で表現されることが多いようです。この感受性の大部分は,遺伝的に決定されています。

 すなわち,炎症は,生体の免疫反応性に修飾されるのですが,その免疫反応性は,主要組織適合抗原の近くに存在する免疫応答遺伝子により支配されていることになります。



炎症からアレルギーへ [免疫とアレルギー]

 炎症とは疾病である,と古くは考えられていました。

 しかし,炎症は,生体に異物が侵入あるいは障害が加えられたときに生体が示す,防御反応である,という概念が導入されるようになりました。

 これは,1888年のMetchnikoffが,細胞による貧食作用が生体の防御機構に重要な役割をもつことを明らかにしたことで,広く受け入れられる概念となりました。

 この19世紀末から20世紀初頭という時代は,免疫学の勃興期でもあり,炎症反応を生体の防御機構という観点から理解しようとする風潮がありました。

 この時代に発見されたことには,血清中のある種のタンパク(すなわち抗体)が,細菌その他の表面に付着すると貧食されやすくなるという,オプソニン作用があります。

 続いて,アレルギーの概念も生まれました。一定の抗原に,前もって接触したことのある生体は,その抗原が再度侵入したときには速やかに反応し,引き続いて炎症反応が起こる,というものです。このときに生じる炎症(組織)は,アレルギーの表現であると考えました。

 また,ウマ血清で免疫したウサギに対して,ウマ血清を繰り返し注射すると,次第に炎症反応が強くなることが見い出され,これは現在アルサス反応と呼ばれているものです。



炎症の4主徴 [免疫とアレルギー]

 炎症に関する4主徴は,紀元前後にCalsusによって示されたものです。つまり,発赤rubor,熱感calor,腫脹tumor,疼痛dolorの4つの徴候のことです。

 後に,機能障害functio loesaを加え,5主徴としている(Galenによる)。

 これらの徴侯は,表在性の急性炎症の徴侯として,今日でも妥当なものと考えられています。

 発赤と熱感は,炎症局所の充血が原因となります。また,腫脹は,血管壁(とくに毛細血管壁)の透過性が亢進したことにより,血液成分が溶出したことと,組織の成分が増生したことが原因となります。

 炎症局所における細胞反応の重要性を強調したのは,Virchowですが,Cohnheimが,カエル腸間膜の観察から,局所の循環障害と白血球の血管外への遊走が,炎症において重要な役割を演じることを証明しています。



炎症の概念 [免疫とアレルギー]

 炎症とは,生体の細胞や組織に何らかの器質的変化をもたらす侵襲が加わったときに,生体が再生や修復などの防御反応をもって応える過程,と考えることもできます。

 これは,Aschoffの「炎症の概念について」での定義です。

 この考え方によると,炎症は生体における有利な防御反応となり,生体にとって合目的なもの,ということいなります。

 しかし,炎症は,生体に加わる侵襲に対して生じる反応です。このとき,周囲の正常組織をまき込んで,その機能を障害することがあります。すなわち,炎症は生体にとって有害な面もあることになり,必ずしも生体にとって合目的なものとはいえなくなります。

 さらに,炎症に伴って全身的な反応を生体は示すことがあります。これは,生体のホメオスターシスを障害しています。

 したがって,炎症とは,生体にとっては1つの疾病として認識されることが多いようです。

 では,炎症に対して自分はどちらの立場をとればよいのか,ということになります。現実的には,その場面に適合する炎症の概念をとる,という一見日和見主義的な立場が妥当と考えています。



リンパ球 [免疫とアレルギー]

 免疫に関与する細胞の主体はリンパ球です。免疫反応の最大の特徴はその特異性ですが,これはリンパ球の働きのおかげです。

 なお,リンパ球はT細胞とB細胞に分けられ,さらにT細胞はその機能から多くのサブセットに分けられています。

 T細胞をなぜさらに細かく分けるのかというと,免疫反応の過程での役割や分担が異なるからです。また,発生分化の過程でも,異なる形態をとるようになるからです。このため,昔からいろいろな名称が与えられてきました。

 T細胞の細胞表面抗原や受容体などのマーカーを利用することで,その由来や機能の違いを識別できるようになりました。これに基づいて命名することで,以前より合理的で理解しやすい体系となりました。

T細胞のサブセットを以下に示します。

ヘルパーT細胞(TH) Hは大文字で,少し小さめ書きます。
 抗原刺激により幼若化し,作用T細胞の増幅やB細胞の分化を助けるもの。

細胞障害T細胞(Tc)
 標的細胞の破壊やリンホカインを産生。

サプレッサーT細胞(Ts)
 B細胞の抗体産生やTc作用を抑制。

遅延型反応性T細胞(TD) Dは大文字で,少し小さめに書きます。
 リンホカインを産生して,マクロファージを活性化したり遅延型過敏症を形成。

 免疫反応では,これらのT細胞の他に,細網内系細胞や骨髄系細胞が加わって,抗原認識の段階や免疫反応の発現の段階において,それぞれの役割を果たしています。

 そして,このような由来や機能の異なる多くの細胞が,異物排除および個体の恒常性維持という目的に向かって,統御されているのです。



エドワード・ジェンナー|免疫学 [免疫とアレルギー]

 ある伝染病から回復した人々が,その病気に対して「免疫」となることは,歴史的に古くから人類は経験してきました。

 伝染病が流行した際に,その「疫」を免れた生存者が,その伝染病患者の看護にあたったと言われています。これは,人類が経験的に得た知恵でしょう。

 古代の中国やアラブでは,痘瘡を免れるために,患者の痘瘡の痂皮を粉末にして健康人に吸入させていたという記録もあるそうです。

 18世紀末に,Edward Jenner(1749-1823)は,牛痘に感染した乳しぼり婦は痘瘡にかからないことを知りました。そして,牛痘を人為的に接種することによって,痘瘡を予防することに成功しました。

 .最初に種痘を受けたのは,8才の少年James Phippsと伝えられています。.この経験的な予防法によって大成功をおさめ,多くの人命が救われることになりました。しかし,ジェンナーのこの偉大な発見は,その後100年間,学問的には発展することがありませんでした。

Edward Jennerが子供に種痘をしている大理石像



抗原の認識 [免疫とアレルギー]

 前回の免疫の項目では,抗原を認識する前にマクロファージによる修飾を受けることを述べました。今回は,それに引き続いて行われる,T細胞とB細胞による抗原の認識機構について述べます。とくに,T細胞とB細胞に存在する抗原レセプターと抗原認識との関係,という内容になります。

 抗原を特異的に認識して反応する細胞は,すでに述べたようにT細胞とB細胞です。前回は,T細胞をあげ,B細胞をあげていませんが,T細胞の方が感受性が高いためです。抗原の認識においては,B細胞も重要な働きをしています。

 T細胞とB細胞が持っている抗原特異性は,それぞれの細胞表面の抗原レセプターによって行われています。

 抗原レセプターの存在部位は,B細胞では表面免疫グロブリンの可変部,T細胞ではお免疫グロブリンH鎖可変部と考えられています。

 抗原レセプターとは特定の抗原決定基に対するレセプターのことです。すると,T細胞とB細胞は,それぞれ遺伝的に規定された,特定のレセプターをもっており,その抗原に遭遇すると相補的に結合し,それらの細胞が活性化するということです。

 レセプターに抗原が特異的に結合すると,T細胞およびB細胞は活性化されるますが,それはDNAの合成が盛んになるということです。形態学的には,幼若化した大型の細胞増を示し,分裂像も観察されます。このような細胞の増殖を,クローンの拡大clonal expansionということがあります。最終的には,分化成熟した抗原特異的な反応を導く細胞集団を構成するに至ります。

 B細胞では,抗原刺激によって分化成熟すると,いわゆる形質細胞になります。そして,その抗原レセプターを構成する免疫グロブリンの可変部の特異性をもった抗体,つまり同じ可変部をもった免疫グロブリンが産生されてきます。

 B細胞は,少なくとも1つの特定の抗体をつくる遺伝情報をもっており,免疫グロブリン分子の可変部のアミノ酸配列をコードしていることになります。

 T細胞は,B細胞に比べると抗原レセプターの数ははるかに少ないのですが,抗原に対する感受性はB細胞より高いことはすでに述べました。T細胞は少量の抗原でも認識することができます。しかし,T細胞の特異性は,B細胞の持つ特異性ほど厳格ではありません。



前の10件 | - 免疫とアレルギー ブログトップ

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]
メッセージを送る


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。