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大臼歯 [歯の解剖学・形態学・発生学]

大臼歯

 大臼歯は,小臼歯の後方(歯科用語では遠心)に続く歯で,上下顎の左右側にそれぞれ3対あります。

大臼歯の数

 大臼歯の数は,全部で,3×2×2=12本となるはずですが,最後方(いちばん後ろ)の大臼歯である第三大臼歯(智歯)は先天的に欠如することが多いので,8~12本の間となります。

大臼歯の別称にはいくつかあります。

①側歯

 大臼歯は小臼歯とともに側歯と呼ぶことがありますが,これは切歯と犬歯を前歯と呼ぶことに対応しています。

②後頬歯

 小臼歯と大臼歯は頬内面に面していることから,頬歯と呼ぶことがありますが,大臼歯はその位置から後頬歯とも呼ぶことができます。

③加生歯・増加歯

 大臼歯を加生歯または増加歯と呼ぶことがあります。この理由は,ちょっと複雑で,次のようになります。大臼歯は理論的には乳歯に属する歯と考えることができますが,他の乳歯とは異なり,代生歯を欠いています。さらに,大臼歯は生涯にわたって機能を営むことから,その形態も乳歯よりも永久歯に類似していて,このことから永久歯化した乳歯と考えることもできます。そこで,これらの点を強調するときには,大臼歯を,加生歯または増加歯と呼ぶことがあります。

咬頭の数

 上顎大臼歯は4咬頭,下顎大臼歯は5咬頭です(多咬頭歯という性質)。大臼歯が多咬頭歯となるのは,その咬合面が食物を磨りつぶす機能に適応するため,とわたしは考えています。

歯根の数

 上顎大臼歯は3根,下顎大臼歯は2根です(多根歯ということも別称も可能でしょう)。

歯冠

 大臼歯の歯冠はほぼ立方体です。6面に区別することができます。ただし,そのうちの1面は歯根との境界面です。すなわち,6面のうち1面は実在しない観念上の面で,残り5面が自由面で,これらには咬合面,頬側面,舌側面,近心面,遠心面という名称が与えられています。

GERAND|河野矯正歯科



エナメル質の形成開始 [歯の解剖学・形態学・発生学]

エナメル質の形成開始

 エナメル質はエナメル芽細胞によって形成されます。エナメル芽細胞は,口腔粘膜由来であるエナメル器の内エナメル上皮細胞から分化したものです。

 この内エナメル上皮細胞の分裂は盛んで,歯乳頭細胞との間に基底膜を介して,一定の間隔をもって配列しています。

 内エナメル上皮細胞は,咬頭頂部と歯頚部の彎曲部とで異なる形態を呈しています。

 咬頭頂部の内エナメル上皮細胞は,背丈の長い円柱状で,核が近心に位置するような細胞極性をもっています。歯頚部に相当する彎曲部の内エナメル上皮細胞は,円柱状ではなく扁平~立方状で,細胞極性をもっていません。

 エナメル質の形成開始時期は,象牙質の形成開始時期に一致し,歯胚の発生段階では鐘状期(これをさらに分けるならば後期~終期)です。また,その開始部位は歯胚の咬頭頂部です。

 内エナメル上皮細胞からエナメル芽細胞への分化が起こるのは,象牙芽細胞によって一層の石灰化した象牙質が形成された後となります。

 このように象牙質の形成がエナメル質の形成に先行することは,象牙質の石灰化が内エナメル上皮細胞からエナメル芽細胞への分化とエナメル質の石灰化の引き金であると考えられます。



象牙質の形成(1) [歯の解剖学・形態学・発生学]

象牙質の形成(1)

 象牙質の形成が開始される時点での状況について

 まず,象牙質は象牙芽細胞により形成されるので,象牙芽細胞の起源は何かということを問題とします。

 これについては,象牙質の形成開始部位から,象牙芽細胞は歯乳頭細胞が分化したものと考えてよいと思います。

 この歯乳頭細胞は,細胞内小器官に乏しい未分化間葉細胞の特徴をもった小型の細胞で,細胞外基質として少量の細いコラーゲン線維と多糖体をもっています。また,内エナメル上皮細胞とは,狭い無細胞層を介して接しています。

 次に,この歯乳頭細胞が象牙芽細胞へ分化するタイミングを問題とします。

 内エナメル上皮細胞が増殖を停止して,エナメル芽細胞へ分化する時期に,歯乳頭細胞から象牙芽細胞へと分化する,でいいと思います。このどちらが先行するかについては,わたしには不明です。

 この時期の歯乳頭細胞は,前象牙芽細胞とも呼ぶことができるように,象牙芽細胞にみられるような著しい極性を示しません。しかし,ミトコンドリア,粗面小胞体,ゴルジ体が発達していて,グリコーゲン顆粒も貯蔵されています。

 前象牙芽細胞どうしの間隙は広いものの,遠心端の一部で(おそらくギャップ結合とデスモゾーム様の中間の結合様式で)お互いに連絡しています。

 初期の象牙芽細胞と内エナメル上皮細胞との関係は,内エナメル上皮細胞下の基底板に直交する微細線維と,初期の象牙芽細胞周囲のコラーゲン細線維とが密接している関係です。

歯乳頭にみられるギャップ結合についての補足

 象牙芽細胞どうしはギャップ結合で連結していますが,歯乳頭を構成している間葉系細胞の間でもギャップ結合が発達しています。つまり,歯乳頭に観察される細胞性の網目は,ギャップ結合により形成されていることになります。



始祖鳥の歯 [歯の解剖学・形態学・発生学]

始祖鳥の歯

 鳥類がハ虫類から進化してきたことは授業で習いますが,歯という面からみると,鳥類はハ虫類よりも前の段階にあるように感じます。

 なぜかというと,鳥には歯がありません。クチバシがあるだけです。

 歯は,セキツイ動物の特徴とされています。つまり,セキツイ動物まで進化してこないと歯は生えてこないのです。歯を持たない鳥類は,ハ虫類よりも前の段階にありそうです。

 ところで,歯の発生上の原型は,サメ肌です。サメの表面を被っている硬い組織,いわゆる「サメ肌」は,歯の表層と同じエナメル質でできています。なお,魚の鱗は真皮のなかにできた骨片(皮骨)で,エナメル質とは異なります。

 歯のようで歯でないものとして,円口類の口の中にある,棘のような小さな突起があります。これを無理して歯と呼ぶ必要はなくて,皮歯と分類されるもので,毛や爪と同じように表皮が角質化したものです。

 歯は動物の種によって特徴があるので,分類学では重要な形質のひとつとされているようです。歯の特徴でもっとも大きな違いが認められるのは,ハ虫類とホ乳類との間です。

 さて,はじめの話題に戻りますが,鳥類がハ虫類から進化したとするならば,鳥類が持たない歯のことを説明しなければなりません。

 もし,かつて鳥類は歯を持っていたが,その進化の過程で歯を失った,と考えるならば,歯を持たない鳥類であってもハ虫類から進化したとすることができます。

 その証拠が始祖鳥です。

 始祖鳥は,ドイツのジュラ紀の地層から発見されたものですが,その化石の顎骨には歯があったのです。鳥類は発生の初期には歯を持っていたのですが,何らかの理由で(これは歯医者以外の他の分野の人にお願いするしかないのですが),歯を失って,角質板で包まれたクチバシを持つようになった,ということができます。



ターナーの歯 [歯の解剖学・形態学・発生学]

 ターナーの歯は,永久歯におけるエナメル質の形成障害を主とする,歯の形成障害のひとつです。

 乳歯に根尖性歯周炎があり,その根尖には後継永久歯の歯胚が接近している状態で,かつその後継永久歯の歯冠が未完成の場合にしょうじます。

 乳歯の根尖部に存在する炎症は,後継永久歯の歯胚に波及し,エナメル芽細胞の浮腫と剥離を生じさせ,形成不全を起こします。

 ターナーの歯の原因は局所の炎症(乳歯の根尖性歯周炎)であることと,ターナーの歯とは形成障害を受けた後継永久歯であること,がポイントです。

 ターナーの歯の原因となる炎症は局所のものですから,その影響は後継永久歯に限られる場合が多いのですが,まれに数歯に及ぶこともあるそうです。

 なお,後発部位は小臼歯です。



透明象牙質・象牙前質・幼若象牙質・象牙前層・類象牙質 [歯の解剖学・形態学・発生学]

 象牙質の成長・形成は,歯冠の尖端部からはじまり,各種の成長線が示すように層状になって,深部および根尖の方向に行われます。

 歯冠の外形がほぼ完成した歯胚の組織切片で,象牙質が形成されている部分を観察すると,濃染した象牙質の内面で歯髄との間に,ヘマトキシリンに染まらない明帯が存在しています。

 この明帯の内側には,象牙芽細胞が層状に密着しています。さらに,この明帯はヘマトキシリンに染色しないことから,石灰化していないことが分かります。

 この明帯の層は,染色されないことから,透明象牙質と呼ばれることがあります。また,象牙質の前段階であることから,象牙前質とか,幼若象牙質とも呼ばれることがあります。

 あるいは,象牙質を生成するもとになる層という意味から,象牙原層と呼ぶこともあります。さらに,骨質における類骨にならって,類象牙質などと呼ばれることもあります。

 この明帯の層は,以上のようなさまざまな呼び方がありますが,ここでは象牙前質と呼んでおきます。

 象牙前質は,これに二次的にカルシウム成分が沈着して,真正の象牙質になりますから,成長中にある象牙質では,必ずその最内層に象牙前質の層が存在することになります。

 また,象牙前質の厚さは,象牙質の形成される速度をおおよそ表わしていると考えることができます。成長が盛んな部位では約30ミクロン,平均は約20ミクロン,成長の遅い部位では約10ミクロンの幅であるといわれています。

 さらに,象牙芽細胞層の厚さが,それぞれの部位の象牙前質の厚さに,おおよそ比例していることも重要な点です。

 象牙前質と象牙芽細胞との関係より,象牙ー歯髄境界部を観察することで,その部位における細胞の活動状況,すなわち,象牙質が形成されているか否か,形成されているのであればその速度について,顕微鏡像から判断することができます。

 たとえば,成人あるいは高齢者のように,象牙質の形成が終了して停止している歯では,象牙前質の層は著しく薄く観察されるか,あるいは欠けているために観察することができなくなります。成人の歯で,象牙前質が比較的よく発達している部位があるならば,そこは第二象牙質が形成されていると考えることができます。

 象牙前質と歯髄との境界は,きれいな直線をなしています。しかし,石灰化した象牙質との境界は,不正である場合がほとんどです。このことは,象牙前質の成長は直線的な前線をもちながら進行するということで,さらに,その石灰化は必ずしも単純な前線をもちながら進行するものではないということになります。

 以上の象牙質の成長とは,厚さの増加に関することです。象牙前質が象牙細管に対してほぼ直角の前線をもって歯髄に向って新生して行く過程です。

 これとは別に,象牙質は歯冠頂から根尖に向って,長さの成長も生じています。これは象牙質の自由縁において,象牙芽細胞が新生することによって行われるものです。これは,エナメル質でも同じですが,歯の成長にはこの両面があることを理解しておく必要があります。



象牙質の根周条(象牙周条) [歯の解剖学・形態学・発生学]

 象牙質の発育線条は内部の構造にだけ見られるものではなく,象牙質の表面にも認められます。歯根の象牙質の表面に認められる発育線条を根周条と呼びます。

 根周条は,その名の示すとおり歯根の表面に認められるもので,肉眼で並行線条として観察できます。根周条の発達程度は,歯種によって差が大きく,また同一歯の歯根においても各線条の太さや間隔は一定していません。しかしながら,各線条が交差しないことより,これらが一種の発育線であることが想像できます。エナメル質の並行条が周波条として歯冠の表面に現われていることと同じ現象と考えることができるわけです。

 根周条は,本来は,象牙質の表面に存在する凸凹像でありながら,歯根の表面に観察できる理由としては,象牙質の表面を覆っているセメント質が薄いために,その凸凹を反映しているためと考えられています。たとえば,第ニセメント質が堆積したならば,根周条は歯根表面には観察されません。また,草食動物のセメント質は厚いために,その歯根には根周条を観察することはできません。

 実は,根周条に相当するものを,エナメル質を除去するならば,歯冠部にも観察することができます。このことより,根周条とは,象牙質の成長線として象牙質の全表面にほぼ水平に走る環輪の線条として観察できるもの,ということになります。すると,根周条というよりも象牙周条と呼ぶほうが適当かもしれません。

 また,歯冠部の象牙周条(根周条)が,とくに発達している場合には,エナメル質の表面にまで隆起を及ぼしていることもあります。



石灰球外形線・環輪層・灰化条・紋理 [歯の解剖学・形態学・発生学]

 脱灰した象牙質に対して,ビルショウスキーの鍍銀法で塊染色を行うと,指紋のような平行の線条が観察できる(ことがあると言われています)。象牙質の横紋のように観察される石灰化条を,石灰球外形線あるいは環輪層と命名していました。

 これは,かつては,リーゼガングの現象によるアーティファクトではないと疑われた時代もありましたが,カルシウム成分が周期的に沈着したことにより生じたことが証明されました。

 なお,石灰球外形線や環輪層という名称は,球状石灰化では問題ないのですが,板状石灰化では意味をなさないので,灰化条や紋理などの名称で表現することが多くなっています。

 石灰球外形線・環輪層・灰化条・紋理は,すべて同じ線条に与えられた名称で,エナメル質の横紋に相当するものであり,象牙質の横紋と考えておけばよいでしょう。

 さて,象牙質の石灰化条は,明条部と暗条部が交互に並走しています。そして,明条部の方が暗条部よりも石灰化が低い部分であると推定されています。

 さらに,これらの石灰化条は常に並走していて,交叉することがないという特徴があります。

 また,全体としては,この石灰化条の走向は象牙質の発育線と一致しているので,石灰化条が成長線であると推定できる根拠でもあります。

 明条部または暗条部の数は,象牙質1mmあたり約700本ですから,象牙質の厚みが2~3mmであり,象牙質の完成に約3~5年を要することから,この石灰化条は1日に1本ずつ発生するものと推定できます。したがって,これは,エナメル質の横紋に相当すると考えることができます。

 また,約10本の石灰化条ごとに比較的明るい線条が走っているのが観察されることがあるそうで,これはアンドレーゼンの線条である可能性があります。



象牙質の成長線 [歯の解剖学・形態学・発生学]

 脱灰切片(ヘマトキシリン・エオジン染色)で,象牙質を観察するとき,歯髄を取り巻くような同心円(横断切片)あるいは歯髄の外形を中心にした並行線(縦断切片)が観察されます。

 このような,年輪様の縞模様は,発育線であることが十分に予想されます。

 しかしながら,この年輪様の成長線は,染色性や太さや間隔が一定していないことから,エナメル質の不規則並行条に対応するものとも考えることができます。

 この成長線は,歯冠部では,アンドレーゼンの線条やオーエンの外形線と一致すると考えられます。また,歯全体として見るならば,エブネルの象牙層板に相当するものと思われます。



アンドレーゼンの線条 [歯の解剖学・形態学・発生学]

 アンドレーゼンの線条は有名です。

 アンドレーゼンはノルウェー人だそうで,これは知らなかったのですが,矯正歯科医としてもかなり有名です。

 これは,脱灰標本で観察される,象牙質の規則的な成長線です。ヘマトキシリンに濃染する並行線が,規則正しく排列している像が観察されます。線条の間隔は約20ミクロンです。

 歯冠の中央部から髄室蓋に観察されます。なお,象牙質の表層では,オーエンの外形線に移行しているものと予想されます。

 非脱灰の研磨標本で,このアンドレーゼンの線条を確認できれば,オーエンの外形線への移行を確認できるのですが,残念ながら,アンドレーゼンが発見したのは脱灰切片であり,非脱灰切片ではこれを確定することは困難と考えられます。



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