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知覚過敏症の問診 [歯の知覚過敏症]

 象牙質知覚過敏症の診断で一番重要なのは,問診です。

 つまり,どのようなときに,どのような痛みが,どのくらい持続するのかを聞き出すことで,象牙質知覚過敏症と単純性歯髄炎とを鑑別診断することができます。なお,知覚過敏症と歯髄炎では,その治療法が異なるので,明確に区別しておく必要があります。

 痛みを感じるのは,歯の表面に象牙質(あるいはときにセメント質)が露出していて,そこに刺激が加えられることが原因となります。

 刺激としては,

冷熱刺激

 ここでは温刺激ではなく,冷水や冷気などの冷刺激です。

擦過刺激

 歯ブラシの毛先や爪楊枝の先端が歯の表面を擦ることで,痛みが誘発されることです。

化学的刺激

 甘味や酸味などが刺激となるもので,甘いジュースや白ワインなどの酸性の飲み物を飲んだときに痛みを感じることです。

 以上の刺激によって,痛みが誘発されるもの,象牙質知覚過敏症と単純性歯髄炎があります。

 知覚過敏症と歯髄炎との鑑別は,疼痛の持続時間の違いにあります。

 すなわち,象牙質知覚過敏症では,以上の刺激により誘発される痛みは瞬間的な痛みであり,一過性の疼痛です。また,単純性歯髄炎では,1分~数分間痛みが維持される,持続性の疼痛です。



象牙質知覚過敏症治療の基本 [歯の知覚過敏症]

 象牙質知覚過敏症に対する充填処置の方法は,基本的に,ムシ歯の治療と同じです。ここでは,レジン系あるいはセメント系の錬成充填物を用いた処置法を例として述べています。

 歯科治療における錬成充填処置法の原則は次のようになります。なかには,当たり前すぎるように感じる項目もありますので,再考してみます。

1.歯髄刺激が少ない

 歯の痛みは,歯の中心部に存在している歯髄内の神経によります。どんなに見た目がきれいであっても,エナメル質と同等の硬さを誇っても,歯髄に対する刺激があるような材料で,ムシ歯や知覚過敏症を治療することはできません。錬成充填物は,はじめはドロドロした状態で,時間の経過,おそらく3分とか5分とかの期間ですが,硬い物に変化していきます。その際,未反応の物質が残ってしまう危険性があり,それが歯髄に対する刺激性を有する場合が多いようです。

2.処置中,処置後に疼痛を生じない

 これも先にあげた歯髄刺激性と関連しますが,歯髄刺激性とは,後になって,何となく痛みのようなものを感じる,程度のものですが,痛みとして感じてしまうような材料の選択は,避けなければならないでしょう。

3.処置が簡便

 操作性がよいということです。どんなに優秀な性質を持っている歯科材料であっても,その操作が煩雑すぎると,本来有しているであろう優秀な性質を引き出すことが難しくなります。
 ムシ歯の治療をはじめとして,歯科治療は,口の中というひじょうに狭く限られた空間で行われることを考えれば,操作性のよいものが望ましいことは想像できると思います。

4.即効性

 知覚過敏症に対する治療では,処置後に痛みがなくなることが要求されます。

5.効果の持続性

 ある程度の期間,その効果が持続する必要があります。

6.着色しない

 歯の表面に使用する場合が多く,その部分は見える部分でもありますので,歯の色に限りなく近い色調で,その色調が安定している必要があるでしょう。

 さらに,象牙質知覚過敏症の特異的な事情を考慮します。

 知覚過敏症においては,物理的刺激や化学的刺激が,露出している象牙細管を介して神経終末を刺激する,と考えることができます。つまり,象牙細管を満たしている内容液の移動を少なくする必要があります。

 象牙細管のような細い管の場合は,その中を一定時間内に流れる流体量は,管の半径の4乗に比例します。このことは,象牙細管を部分的にでも防ぐことができれば,象牙細管を満たしている内容液の移動は著しく減少することになり,知覚過敏症を大幅に軽減できるはずです。

 すなわち,象牙質の表面に開口している象牙細管を,できる限り栓塞することで,知覚過敏症の治療の効果を確実にできます。



象牙質知覚過敏症の原因としてのブラッシング [歯の知覚過敏症]

 象牙質知覚過敏症とは,ムシ歯を原因としない痛み,と考えることができます。

 その原因として,大きく3つに分けることができるでしょう。つまり,

(1)象牙質の露出
(2)石灰化障害
(3)痛覚の閾値の低下

 象牙質知覚過敏症の原因として頻度の高いものは,ブラッシング時の強い歯ブラシの圧と多量の歯磨剤の併用によるクサビ状欠損と,歯周疾患による歯根露出でしょう。

 歯周疾患については別の項目で述べているので,ここでは歯の磨耗による象牙質の露出を原因とする知覚過敏症を考えてみます。

 まず,歯の磨耗と咬耗の定義をしておきます。なぜならば,象牙質知覚過敏症のいちばんの原因とここで考えているクサビ状欠損は,咬耗でおこることはなく,もっぱら磨耗によりおこるからです。

 歯の咬耗も磨耗も,ともに歯の実質欠損を呈するものですが,その原因が異なります。咬耗とは,咬合などの歯の本来の機能に伴って,対合歯同士あるいは隣在歯同士がこすり合うことによって生じる歯質の欠損(減少)です。磨耗とは,歯と歯以外の物質(物体)とがこすり合うことによって生じる歯質の欠損です。この違いを明らかにすることで,クサビ状欠損の発生を予防する方法がおのずと出てくると思います。

 パイプを常用するなど,前歯で物をくわえることを習慣的に行っていると,それは職業上必要とされる動作であることも含んで,前歯の切縁に欠損を認めることができるようになりますが,これは磨耗です。

 また,砂混じりの物を食べるオーストラリアのアボリジンでは,咬合面だけでなく隣接面においても歯のすり減りを認めることができますが,これは咬耗です。

 さて,ブラッシングによるクサビ状欠損の形成は,歯頚部に限られます。さらに,舌側面に生じることはなく,必ず唇側面に形成されます。いくら強いブラッシング圧で,かつ多量の歯磨剤を用いて,長時間にわたる歯磨きをしたとしても,咬合面などには明かな歯質の欠損を発生させることは不可能です。これは,その部のエナメル質の厚さの違いに原因があります。

 歯頚部はエナメル質の厚さが薄いために,その下部の象牙質が露出しやすい部位であると言えます。

 咬合面は,先に述べた咬耗に対応するために,その部のエナメル質の厚さは十分に用意されています。しかし,歯頚部は咬耗とは無関係であるために,十分な厚さのエナメル質は用意されていないのです。

 また,強いブラッシング圧は,歯肉辺縁の退縮を誘発します。とくに,不必要なまでの歯肉溝の清掃は,頬側歯肉の高さを減少させます。歯肉が退縮すると,セメント質が露出されます。セメント質は,エナメル質に比べて硬度が低く,さらに歯頚部のセメント質の厚さは,エナメル質と同様に薄いので,すぐにその下部の象牙質が露出することになります。

 このようにして,唇側歯頸部に,歯ブラシの角を投影したクサビ状の歯質の欠損が形成されます。

 クサビ状欠損の予防は,その部位に対する過度のブラッシングを控えることにあります。他にも磨かなくてはいけない部位は,口の中にたくさんあります。



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